「もう狭窄症の手術は3回やってて、金属も入ってる。でもまた痛くなってきて手術は流石にもう嫌だなって」
「病院で脊柱管狭窄症って言われて手術をした方がいいって言われて手術したの。それで最初は痛みも取れてもう治ったかと思ってたんだけど、また3か月くらい前から段々痛くなってきて」
「先生に狭窄症だから手術した方がいいよってすすめられて手術したんだけど、痛みが全然取れてない。先生に言ったら検査ではもう治ってるはずだから大丈夫ですって言われても、痛いのは痛い。」
脊柱管狭窄症で来院される方で手術経験のある方はこのようなことを言われます。一般的なイメージでは手術すれば治って元通り。以前の痛みのない生活をまた送ることが出来ると考えると思います。
手術からしばらくは痛みが取れていても、時間が経つとまた痛みが出てくる…手術した後は痛みが取れたから、もうこれで大丈夫だと思っていたのに…
結局はまた痛くなってしまうんです。「せっかく手術をしたのに、何でまた痛くなるんだろう」とやりきれません。
怪我とは違います
慢性疾患という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ずっと痛みやシビレが続いている状態のものです。脊柱管狭窄症もこの慢性疾患に分類されます。慢性疾患は、傷が治ればもう大丈夫な怪我とは違います。
怪我は瞬間的な要因で作られます。一方、慢性疾患は何年もの時間をかけてじわじわとあなたの体に作られていくものです。外因性のヘルニアなどの例外はありますが、基本的には時間をかけて作られていきます。
慢性疾患は怪我のように時間が経てば治るようなものではありませんし、むしろ悪化していくことが多いです。
何で脊柱管狭窄症に…
脊柱管狭窄症は、背骨の中にある脊柱管という神経が通っている管の中で起こります。何らかの原因で中を通る神経が圧迫され、締め付けられるような状態になると発症してきます。その原因は色々で、ヘルニアが出過ぎた、周囲の靭帯が厚くなってきた、すべり症がひどくなってきた、などと言われます。
そしてこの原因が、時間をかけてじわじわと進行していきます。その結果として、症状が出てくる状態までになります。症状が出てくると焦りますよね。慌てて整形に行くと検査をされて、脊柱管狭窄症と診断されます。
じわじわと進行するような体の使い方をずーっと何年も、何十年も続けてきた結果なんです。ですから、脊柱管狭窄症は背骨の慢性疾患の中でも最終的に表れてくる状態とも言われます。若い時から腰の調子は悪かった、ぎっくり腰を何回もやっていた、あまり体を動かしてこかなかったなど、体の使い方の習慣によって脊柱管狭窄症は作られるのです。厳しい言い方ですが、今までのあなたの体の使い方が脊柱管狭窄症の原因です。昔から背骨へのケアをしながら体を使っていたら、脊柱管狭窄症と言われる症状は発症しません。
手術したのに…
体の使い方が原因と言いました。脊柱管狭窄症の手術をしても、脊柱管狭窄症を作るような体の使い方の習慣を変えなければ、手術したところとは別のところに新たな脊柱管狭窄症を作ってしまいます。手術したのにまた…という場合は体の使い方、体に対する習慣を本気で変えて行く気持ちも必要になるんです。
せっかく良くできたのなら、それを維持するための努力も求められます。これまでの習慣を変えることになるので、とても面倒でしょうし、大変です。でも、脊柱管狭窄症の症状の大変さを考えれば、もう二度と味わいたくない、という気持ちの方が強いのではないですか?
まずは小さな一歩から
体の使い方を変えましょう、習慣を変えましょうといきなり言われても、急に変えて行くことはまず無理です。新しい習慣作りはとても大きなストレスになります。ですから、変えて行く気持ちがもしあるのなら、少しずつでいいんです。
「これならつづけられるかな?」くらいから、いつもの日常に体操を入れてみる、ウォーキングをしてみる、姿勢に気を付けてみるなどをしていきましょう。いきなり大きく変えようとしても、きっと長続きしません。
小さな変化の積み重ねで、脊柱管狭窄症の再発を防ぐことができますよ。
こちらで脊柱管狭窄症のお話をさせていただいております。