「階段を上るより、降りるほうがつらい」
変形性膝関節症の方から、よく伺うお悩みです。駅の階段では手すりが欠かせない、一段ずつでなければ怖い、痛む膝がガクッとなりそうで不安になる。そのため、外出先を階段の有無で選んでいる方もいらっしゃいます。
階段を降りるときの膝痛には、膝関節の状態だけでなく、太ももの筋力、膝の伸び、股関節や足首の動き、身体の使い方などが関係します。
この記事では、なぜ階段を降りるときに痛みやすいのか、えふく整体院では何を確認するのか、ご自宅でできる工夫とあわせてお伝えします。
1. なぜ階段を降りるときに膝が痛むのか
階段を降りるときは、片脚で身体を支えながら、重力に負けないように身体をゆっくり下ろす必要があります。このとき、太ももの前側にある大腿四頭筋がブレーキのように働きます。
膝を曲げた状態で体重を支えるため、平地歩行より膝への負担を感じやすくなります。特に変形性膝関節症で関節に炎症がある方や、膝蓋骨まわりに痛みがある方は、降りる動作で症状が出やすくなります。
| 関係する要素 | 階段を降りる動作への影響 |
|---|---|
| 関節の炎症や腫れ | 膝を曲げて体重をかけたときに痛みや圧迫感が出やすくなります。 |
| 太ももの筋力低下 | 身体をゆっくり下ろす力が不足し、膝がガクッとしやすくなります。 |
| 膝が伸びきらない | 立っているときから膝が曲がり、太ももの筋肉へ負担がかかり続けます。 |
| 股関節の安定性低下 | 膝が内側や外側へぶれやすくなります。 |
| 足首の動かしにくさ | 重心を滑らかに移せず、膝へ負担が集中することがあります。 |
| 痛みに対する不安 | 身体がこわばり、動作がぎこちなくなる場合があります。 |
「軟骨がすり減っているから痛い」と、それだけで決まるわけではありません。階段のどの場面で、膝のどこに痛みが出るのかを確認することが大切です。
2. 階段の痛みは変形性膝関節症だけとは限りません
階段を降りるときの膝痛は、変形性膝関節症でよくみられる症状ですが、痛みだけで病名を判断することはできません。
膝蓋骨まわりの不調、半月板の損傷、腱や滑液包の炎症、過去のけがなどでも似た症状が出ることがあります。腫れが強い、膝が引っかかって動かない、急に体重をかけられなくなった場合は、整形外科で状態を確認してください。
変形性膝関節症の診断には、診察や立位でのX線検査などが用いられます。整体では診断できないため、医療機関の受診が必要な状態を見逃さないことも重要です。
3. えふく整体院では何を確認するのか
3.1 実際に困っている場面を伺います
階段の痛みといっても、症状は人によって異なります。
- 一歩目だけ痛い
- 数段降りると痛みが強くなる
- 膝の内側、外側、前側が痛い
- 痛みよりも膝崩れが怖い
- 手すりがあれば降りられる
- 荷物を持っているとつらい
どのような階段で困るのか、外出や仕事にどの程度影響しているのかまで伺います。整形外科で説明を受けた内容や画像をお持ちの場合は、分かる範囲でお聞かせください。
3.2 膝だけでなく、股関節や足首も見ます
膝の曲げ伸ばし、腫れ、筋肉の緊張に加え、片脚で体重を支えたときの安定性を確認します。さらに、股関節や足首の動き、骨盤や体幹の支え方も見ていきます。
姿勢の左右差や筋肉の硬さが見つかっても、それだけで痛みの原因と決めつけません。施術前後で、立ち上がりや段差動作がどのように変わるかを比べながら、関係する部分を絞り込みます。
3.3 骨格と筋膜の両面から施術します
えふく整体院では、膝関節の動きと、太もも・ふくらはぎ・お尻などの筋肉や筋膜の状態を合わせて確認します。必要に応じて、股関節、足首、骨盤、背骨にも無理のない範囲で施術します。
変形した骨や、すり減った軟骨を整体で元に戻すことはできません。また、手技だけで炎症を治したり、変形性膝関節症の進行を止めたりできるとは言えません。
一方で、膝が伸びにくい、筋肉・筋膜がこわばっている、股関節や足首が動かしにくいといった要素が階段動作に関係している場合は、身体の使いやすさに変化がみられる可能性があります。
4. 階段を安全に降りるための工夫
痛みが強い時期は、左右交互に降りることへこだわらなくて構いません。まずは転倒を防ぎ、膝に急な負担をかけないことを優先しましょう。
- 手すりをしっかり使う
- 慌てず、一段ずつ降りる
- 足元を確認しやすい明るさを確保する
- 滑りやすい靴や、かかとの不安定な靴を避ける
- 重い荷物を持っているときは、無理をしない
4.1 一段ずつ降りる場合の基本
片側だけが痛む場合は、一般的に手すりにつかまり、痛む側の脚を先に下の段へ降ろし、その後に痛くない側の脚をそろえます。こうすると、支える力のある脚を上の段に残し、身体をゆっくり下ろしやすくなります。
ただし、両膝が痛む方、膝崩れがある方、手すりの位置や階段の形によっては、この方法が適さないこともあります。転倒に不安がある場合は、医師や理学療法士などから実際の階段で指導を受けてください。
5. 自宅で行うなら、まずは太ももの運動から
変形性膝関節症では、太ももの筋力を保つ運動や関節の動きを保つ運動が役立つとされています。階段を降りる力をつけるには段差練習も選択肢になりますが、いきなり行うと負担が大きいため、まずは安全な運動から始めましょう。
5.1 椅子に座って行う膝伸ばし
- 背もたれのある椅子に深く座ります。
- 片方の膝を、痛みのない範囲でゆっくり伸ばします。
- 太ももの前に力が入るのを感じてから、ゆっくり戻します。
- 左右とも少ない回数から始めます。
運動中や運動後に痛みや腫れが強くなる場合は中止してください。運動の種類や回数は、膝の状態や体力によって調整が必要です。
6. 整形外科への相談を優先したい症状
- 転倒や事故のあとから強く痛む
- 急に膝が大きく腫れた、赤い、熱を持っている
- 体重をかけられないほど痛い
- 膝が引っかかり、動かなくなることがある
- 膝崩れが増え、転びそうになる
- 発熱や強い倦怠感を伴う
変形性膝関節症では、薬、注射、運動器リハビリテーション、足底板や膝装具などが検討され、状態によっては手術が選択肢になります。病院と整体は、どちらか一方だけを選ばなければならないものではありません。
7. まとめ
階段を降りるときは、片脚で身体を支えながら、太ももの筋肉でブレーキをかける必要があります。そのため、変形性膝関節症による炎症や可動域制限、筋力低下があると、平地より痛みや不安を感じやすくなります。
えふく整体院では、膝だけでなく、股関節や足首の動き、筋肉・筋膜の緊張、片脚での支え方まで確認します。見た目の姿勢を整えることではなく、「駅の階段を降りたい」「買い物や外出を続けたい」といった生活上の目標を大切にしています。
階段を降りるたびに膝が痛み、外出に不安を感じている方は、一度ご相談ください。現在の状態を確認したうえで、当院でお手伝いできることを正直にお伝えします。
えふく整体院 院長の北村昌平です。柔道整復師の資格を持ち、これまで多くの患者様の身体のお悩みに向き合い、腰痛や坐骨神経痛、脊柱管狭窄症、股関節痛、膝痛など慢性的な症状の施術に携わってきました。また、私自身も酷い坐骨神経痛で苦しんだ過去があります。 施術を通して多くの方と関わる中で、痛みやしびれの原因は姿勢や背骨のバランスの崩れにあるケースが非常に多いと感じています。当院では背骨や骨盤の歪み、筋肉の状態などを確認しながら体のバランスを整え、根本改善を目指した施術を行っています。このブログでは、日々の施術経験をもとに身体の不調の原因やセルフケアの方法をわかりやすくお伝えしていきます。記事監修者








